
サマリー
- 成長ステージ
- シードアーリーミドルレイター
- 調達経験
- 個人VC事業会社
- イグジット方針
- IPOM&A
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解決したい課題
当社は新しい酵素の開発を通して、ものづくりにおける多様な課題を解決すべく、2019年に創業しました。
酵素は、体内の化学反応に対して触媒として機能するタンパク質。伝統的にも、食品加工や繊維加工、洗濯、排水処理といった場面で用いられてきました。
しかし、産業界で活用されている酵素の種類は依然として少なく、酵素が本来持つポテンシャルを十分に発揮できているとはいえません。また、たとえメーカーなどが新規酵素の開発ニーズを抱えていたとしても、高いコストやノウハウ不足が障壁となり、実際に開発に着手するのは難しいのが現状です。
そこで当社は、バイオインフォマティクスを活用した新規酵素の開発を目指しています。多くの科学研究と同様に、酵素の開発も偶然の発見に頼るところが大きかったのですが、情報学の知見を生かせば、狙い通りの機能を有した酵素を開発可能。“Calculating Serendipity(「偶然による発見」を計算する)”というミッションには、偶然ではなく、膨大なデータベースによって新しい酵素を開発するという思いが込められています。
新しく開発した酵素により、天然物や石油化学製品の代替生産、廃棄物リサイクル、難分解性物質処理など、幅広い領域の課題を解決し、環境面でも経済面でも持続可能な世界の実現に寄与していきます。
どのように解決するか
事業内容
大きく分けて、研究開発事業(R&D事業)と酵素事業(生産事業)の2つを手がけています(酵素事業については、今後本格化)。
●研究開発事業(R&D事業)
酵素の開発を目指す、合成生物学(SynBio)に関わる企業やアカデミア等を対象に、酵素のサンプル(情報解析、実験解析結果、酵素の活用方法の開発など含む)を提供します。
【サービス】
・Moonlight(酵素探索ソリューション)
ケモインフォマティクス・バイオインフォマティクスの解析技術を組み合わせたもので、遺伝子が未知の酵素反応に対して有効な候補を提案します。
・Spotlight(酵素改良ソリューション)
蓄積されたゲノム情報・実験情報を機械学習しているため、事前情報がなくても短時間で有効な変異体を予測することができます。
●酵素事業(生産事業)
当社が独自に開発した酵素プロダクトを認可申請を経て量産し、食品・繊維・排水処理等の酵素利用メーカーに提供します。
当社の強みは、アカデミアで培った高度なバイオ情報解析技術です。近年はバイオ分野におけるビッグデータ化が進み、情報を取りやすくなりました。
しかし、必要な情報を選別して読み解き、活用できている企業はほとんどありません。当社は日本で唯一、世界でも片手で数えるほどしかない解析技術を有しているため、精度の高い酵素の開発が可能となっています。
今後の成長ストーリー
これまでは、研究開発事業における酵素開発に関わる情報解析サービスをメインに展開してきました。今後は、独自に開発した酵素プロダクトの提供を開始し、事業の実証をしながら拡大を図ります。
●酵素事業
自社製の酵素プロダクトを開発する予定です。生産性向上の技術開発と、量産化できる体制を整備。2025年までのシリーズAにおいて、酵素プロダクト量産化契約の締結実績を作ることを目指します。
共同研究プロジェクトを通じた物質生産系の開発にも引き続き注力。自社製プロダクト開発と共同プロジェクト参画の両輪で、既存市場のリプレイスと新規産業の創出によって事業をスケールさせていきます。
今後1年の投資計画
項目 | 計画予算 | 説明 |
---|---|---|
開発費 | 7,000万円 | 酵素プロダクト開発を行うために使用します。材料費や人件費などが含まれています。 |
セールス | 1,000万円 | 酵素プロダクトのセールス実施を実施するために使用します。主にセールス人材の人件費です。 |
資本・業務提携したい企業イメージ
酵素開発に関わる企業との協業を想定しています。
●酵素開発・生産に携わる化学メーカー 等
酵素メーカーや酵素生産技術のプラットフォーマー、合成生物学に関わる企業・アカデミアなど。酵素探索および酵素改良に関する当社のソリューションを活用してもらうことで、相乗効果を図ります。
●酵素を活用するその他メーカー
食品、繊維、洗剤・化粧品の生産や廃棄物・排水の処理に関わる企業。その他、酵素の活用余地がある、精密機器や自動車のメーカーも対象です。
●製薬・診断薬メーカー
当社の高度な情報解析技術は酵素に限らず、抗体などのタンパク質にも適用可能なため、製薬・診断薬メーカーとのシナジーも見込んでいます。
1992年
2019年、東京工業大学博士課程在学中に株式会社digzymeを創業。2013年 iGEM Information Processing 部門賞・金賞受賞。2020年 博士(理学)。
TTOP2022大賞